ジャニオタの小論文「あの夏に見た"HiHi Jetsらしさ"の正体とは」
HiHi JetsをHiHi Jetsたらしめているものとは何か。
彼らのライブを見ると
そこに1つの答えが見えてくる。
TVガイドAlpha(2019年5月発売のVol.21)に掲載された、HiHi Jetsのライブレポート*1の一節です。
(以降、要点以外はHiHi Jetsのことを略称してHiHiと表記します。)
初めてHiHi Jetsのライブを体感した後、ライブが終わってしまった寂しさよりも、何だかとんでもないものを見たという満足感で満たされていました。
知らない曲があってもそんなの関係なくただひたすらに楽しいし、一瞬も飽きる暇がない。HiHi Jetsのライブをきっかけに知らなかった楽曲自体も好きになってしまう。
それは去年のサマステ*2を見た時も同じで、先輩方の楽曲もまるで自分たちの持ち歌かのようにパフォーマンスするHiHi Jetsはすごいなと思っていたものの、ずっと漠然としたままで、その凄さを説明できずにいました。
(2019年夏の一番の思い出。永遠に覚えていたい最高の夏をありがとう~!)
2ヶ月程前にたまたま、「Yellow Gold Tour 3011」のDVDと出会いました。
赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」には、HiHiがサマステで披露した曲が収録されています。
本家のライブを見たら、"HiHi Jetsらしさ"の答えに繋がるヒントが見つかるかもと思い購入しました。
あと、サマステがきっかけで赤西くんの楽曲もよく聞くようになっていたので、純粋に本家も見てみたかった。
ですがなかなか見る時間が取れず、頭の片隅に置きっぱなしになっていました。
昨今の状況から自宅にいる時間が増え、やっと再生したのが10日程前のことでした。
1曲目に「Yellow Gold」、2曲目に「Christmas Morning」と、HiHiがサマステで披露した2曲が続きます。
私が今まで見てきたジャニーズとは一線を画すような、赤西くんの圧倒的な世界観。赤西くんのパーソナルなことはほとんど知らないけれど、自分のやりたいことを貫いている印象を受けました。
早々にお目当ての曲目が終わってしまうので、その後は他のこともしながらBGM的に見ていたのですが、中盤を超えたあたりで聞き覚えのある音が流れてきてハッとしました。
.....HiHiの太鼓のインストだ!!!!!
「Yellow Gold」も「Christmas Morning」も、その2曲を繋いでいたインストまでもが赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」に入っているということは、HiHiはこのライブを見て、サマステで披露した太鼓パフォーマンスをつくったのではないか、という気づきがありました。
と同時に、漠然と感じていた"先輩の楽曲も自分たちのものにしてしまうHiHiのパフォーマンス力"の正体が見えたような気がしたので、サマステの太鼓パフォーマンスはいかにしてつくられたのか、そしてそれを可能にした彼らの力は何なのか、について考察します。
前置きが長くなってしまいましたが、結論から言うと
HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだったと仮定すると、
その再構築力こそが、既存の楽曲も"HiHi Jetsらしく"魅せられるパフォーマンスにつながっている。
と私は考えました。
【目次】
仮説の設定
HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだった。というのは、前述のとおり、このライブから3曲も引用されているであろうこと、似通った演出があることを理由に立てた仮説です。
このライブを見ただろうと推測するHiHi担の方も多く、正直ほぼ確実だろうなとは思いますが、今のところHiHi Jets本人達から「Yellow Gold Tour 3011」のDVDを見たといった趣旨の発言はないため、事実はわかりません。(もしあったらご一報いただきたいです。)
何かのタイミングで明かされるかもしれませんが、公演が終わってからもう1年近く経っているので、今後一切明かされない可能性のほうが高いと思っています。別に明かす必要もないしね…。ホラ種明かししないほうが夢があるし、妄想力広がるし、シンプルに楽しめますよね?*3
なので、あくまで仮説です。
それから、これは専門家でもなんでもないただのジャニオタのなんちゃって小論文なので、そういう考え方もあるよねくらいのライトな感じで楽しんでもらえたら幸いです。当然のことですが、彼らのパフォーマンスのどこを見るか、何を感じるかは個人の自由だと思っています。
そもそも彼らの凄さはパフォーマンスを見ればわかることなので、言語化する必要だってないもので...。
だけど、HiHi Jetsやばい…って思いが限界にきたのでアウトプットします。
3つのプロセス
先輩の楽曲、つまり既存の楽曲を使用してパフォーマンスする際には、3つのプロセスがあると考えました。
一部異なりますが、これらの記事を参考にして私なりにそのプロセスを定義づけしたので、HiHiの再構築力を考察する前に、再構築に至るまでの流れを説明しようと思います。今回は、ジャニーズJr.がデビュー組の楽曲を使用するパターンを想定しています。
https://www.kikakulabo.com/column-rikai-bunkai/
(ハガレンの例えが出てくるあたりです。)
https://toyokeizai.net/articles/-/41573?display=b
(後半のスターウォーズとレゴブロックの例えが出てくる部分です。)
3つのプロセスとは、理解、変換、再構築です。
まず、理解について。
言葉通り、楽曲を聞いたり本家のパフォーマンスを見たりして、その楽曲がどのように構成されているのかを理解する段階です。楽曲をそのまま利用して、ダンスも本家と同じような振りで披露している場合、この段階に当たるように思います。
本家をまるまる模倣することで、身をもってその楽曲を理解することができる利点があり、また、例えば普段とは違う振り付け氏さんがつくった振りを完コピすることで、新たな表現方法を学べる利点もあるかと思います。その他、歌い方であったり、人数が異なるグループの模倣の場合はフォーメーションの組み方も勉強になったりするのではないかと思いました。
つまり、自分たちの表現の幅を広げていくことが主な目的になると考えました。
楽曲がどう構成されているかが理解できたら、次は変換です。
楽曲を構成している要素を一度バラバラにして、例えば曲尺だったり振りだったりを変更した後、それらを再び組み合わせる段階です。ソロの曲をグループでやったり、逆にグループの曲をソロでやったりすると必然的に変更しないといけない部分がでてくるので、その場合もこの段階に該当すると考えています。
つまり、既存のものをベースに、今まで自分たちが身に付けてきた知恵や技術を足して、オリジナリティを出すことを目的にしている段階だと考えました。
オリジナリティの出し方がわかり、自分たちが魅せたいイメージに更に近づけたいとなったら、再構築です。
本家にはない要素を持ってきたり、逆に本家の要素を差し引いたりして、下図のように本家の形から大胆に変化させることが可能になる段階です。自分たちらしさを前面に出すことを大きな目的とする段階です。
ただし、再構築は一気に組み合わせの自由度が増すため、最終的にどういうイメージにしたいのか、何を見せたいのかがはっきりしていないと、上手くまとまらない可能性もあります。
それさえはっきりしていれば、つくりたい世界観に合った楽曲を選ぶという、逆算の手法もできるようになると考えています。
以上のように、3つのプロセスを便宜上"段階"という表現で定義しましたが、これらは階段状に繋がっているのではなく、個人的にはグラデーションのようなイメージでとらえています。
なぜかと言うと、オリジナリティがどれだけ加えられているかは見る人によって感じ方が違うため、主観的に3種類に分類することは横暴だと思うからです。
その例えとして、2019年5月10日放送回の少クラで披露された7men侍の「BANGER NIGHT(本家:Hey!Say!JUMP)」の話をしたいと思います。私は7men侍に関してはニワカなので、JUMP担としての立場から感じたことを元にしています。
(私はHiHi一族でもありJUMP担でもあります。)
7men侍は、本家がMステで披露したときの曲尺のものを使用して、本家とは異なる振り付けでパフォーマンスしていました。振りを変更した経緯についてはこの動画で知ることができます。
(残り時間2:40あたりからの話です。)
要約すると、本家の振りをかっこよく踊るのは難しくて勝てないから、自分たちで新しく構成を考えたということでした。*4
それだけ聞くと、客観的には変換の段階ととらえることになるのですが、間奏で琳寧くんのド派手なアクロバットが入っていたり、曲終わりにメンバーが連なって7をつくっていたりと、本家にはない7men侍のオリジナリティが加えられていると感じたので、私はかなり再構築よりのパフォーマンスだと思いました。
先ほどの図で表すとこのあたりに位置するイメージです。
もし仮に7men侍の武器であるスケボーが加わっていたら、スケボーの要素は誰がどう見ても本家のJUMPにはない要素なので、客観的にも再構築ととらえることができると考えています。
ただ、先ほどの動画内で「いつもはスケボーやバンドをやっているけど、7men侍は踊れるんだぞってところが見せられた」と琳寧くんが話していたので、あえて完全な再構築にしないことで、新たな一面をアピールするという目的が果たせていたのだなと感じました。
自分たちの魅せ方の選択肢が増えるので、上手く再構築ができることは良いことではあります。
ですが、高度な再構築ができれば他より優れているという訳ではありません。
それぞれのプロセスにはそれぞれの目的があると述べました。
つまり、7men侍の例のように、表現したいことや果たしたい目標に合わせて、どれだけ自分たちの色を加えるかを見極めることが重要だと考えています。
HiHiの太鼓パフォーマンスにおける再構築
ここまでに、
・既存の楽曲をパフォーマンスするには、理解、変換、再構築の3つのプロセスがあること
・目的に合わせてオリジナリティをどれだけ組み合わせていくか見極めることが重要
ということを説明しました。
そして、ここからやっと本題です。
HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだった。という仮説を考察していきます。
本家の「Yellow Gold Tour 3011」は、2011年に開催された赤西くんのライブです。その時はまだジャニーズ事務所に在籍されていたので、今でもジャニーズJr.が楽曲を使用できるのだと思います。
私が購入した初回限定盤Aには赤西くんのインタビュー映像も付いていて、このライブの構成やコンセプトについて知ることができました。
私なりに要約すると、
・フューチャリスティックなコンセプトで3011年からやってきたクルーたちのライブ
・"人を愛したロボット"をコンセプトにしたラップを書いていて、それをライブのオープニングスピーチに発展させた
・その世界では、ロボットは人を愛せない設定になっているけれど、芯がないルールに疑問を抱いているロボットくんの心の声から始まる構成
・ひとつの映画になるようなつくり方をしたライブ
ということらしく、
サングラスをかけてロボットのような赤西くんが登場し、電子音のような声で1曲目の「Yellow Gold」、続けて2曲目の「Christmas Morning」を披露しています。
一方、HiHiの太鼓パフォーマンス部分ですが、雑誌*5では"演出コーナー"と名付けられ、5つのパートで構成されています。
これまでに判明している引用元や赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を見て今回気付いたことを対応させると、以下のようになります。
M12.(演出コーナー)
a. Christmas Morning → 赤西くんの「Christmas Morning」(Yellow Gold Tour 3011より)
b. 太鼓inter → Kis-My-Ft2「CONCERT TOUR 2016 I SCREAM」内の太鼓BGM
c. ローラー太鼓BGM → 赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」内のダンスBGM
d. Yellow Gold → 赤西くんの「Yellow Gold」(Yellow Gold Tour 3011より)
e. ローラーダンスBGM → 嵐「ARASHI BLAST in Hawaii」オープニングBGM
ひとつずつ、どのように再構築されたか推測していきます。
曲の解釈についても言及すると終わりが見えなくなるので、今回はなるべく客観的な事柄に絞っていきたいと思います。
【a. Christmas Morning】
・本家同様、歌声には高音のエフェクトがかかっている
・赤西くんと同様に、サングラスを着用していて表情がわからないようになっている
・本家のバックダンサーと同様に、白を基調としたメタリックな装飾がある衣装を着ている
・赤西くんのロボットのような動き(で楽器を演奏している)を、ロボットダンスで引用している
・本家より曲尺が短くなっている
・本家にはない、ローラーを履いて歌うという演出の追加
・本家の「Christmas Morning」では見られない、ブラックライト(サングラスと手袋が光る)の演出の追加
サマステ開幕前に瑞稀くんが見どころのひとつとして挙げていた曲目*6で、ブラックライトで光るサングラスと手袋を着けて、ローラーを履いてロボットダンスをするパフォーマンスです。本家の要素を多く残しつつ、HiHi Jetsの武器であるローラーを組み合わせた演出でした。本家のライブでも所々ブラックライトの演出があるので、そこから引用した可能性も考えられます。
HiHiは、サングラスをかけていることによって視界が悪くなるため、光っている手袋を頼りにかろうじて他のメンバーの位置を把握して踊っていたらしいです。*7神業すぎる。
また、ロボットダンスと言っても、上半身のカクカクした典型的なロボットダンスと、ローラーで滑らかにすべっていく足元を組み合わせていることで、ペッパーくんのような近代的なロボットの印象を受けました。もしかして、今の時代に合わせて"ロボットの概念"自体も再構築した…?と思ったのですが、彼らの年齢を考えると ロボット=ペッパーくん なのは自然なことかもしれないとも思ったので、たぶん私の考えすぎですね。(彼らと年代が違うことを痛感する…。)
ただ、身体の上下で動き方を変えている演出は、瑞稀くんが言っていた不思議な世界にちゃんと繋がっている気がします。
【b. 太鼓inter】
「Christmas Morning」が終わってサングラスと手袋をはずし、車輪の付いた太鼓が出てくる部分です。
先日Youtubeで公開されたKis-My-Ft2の動画内にこの部分の音があり、太鼓パフォーマンスBGMの一部を切り取って使用したと考えられます。
【期間限定】🎤Kis-My-Ft2 WEB FES🎤 / Day 2 : 🔥オラオラ編🔥
(おそらく7:48~8:35の部分です。)
鈴のような音が「Christmas Morning」のエレクトロ感を引き継いでいて、もともと太鼓パフォーマンスのBGMなので太鼓との相性も良く、自然に次に繋がりやすくなっているように感じました。この1分があるかないかで結構大きく印象が変わる気がします。「Christmas Morning」と「ローラー太鼓BGM」をそのまま繋げずに、その間に約1分程の音を差し込んでくる技量は一体何なのか、一体いつ習得したのか、凄すぎて余計に謎が深まります…。しかも全く違うグループのライブから引っ張ってきていて、一体いくつ材料を蓄えているのだろうか…。
本家のKis-My-Ft2もローラーを特徴としているグループですが、本家の太鼓パフォーマンスにはローラーはありませんでした。そしてこのパートから履いていたローラーが光りはじめます。
【c. ローラー太鼓BGM】
・「Yellow Gold Tour 3011」内の11曲目「LOVE JUICE」と12曲目「Paparats」の間のダンスBGMを引用した
・本家より曲尺を短くしている
・太鼓の演出を追加
楽曲のみを引用して、電飾ローラーと日本の伝統の太鼓を組み合わせた、太鼓パフォーマンスの導入部分です。
本家の「Yellow Gold Tour 3011」内には、曲と曲のつなぎになるBGM部分が8カ所ありました。*8これだけあると、次の「Yellow Gold」に繋げられるような音を意図的に選んだと考えられます。ただ、誰かに提案してもらったとかでなければですが。
【d. Yellow Gold】
・「Yellow Gold Tour 3011」1曲目のremixバージョンを引用している
・本家のバックダンサーと同様に、7men侍が長棒を地面に打ち付けて音を足す演出を担っている
・サビを繰り返して、本家より曲尺を長くしている
・本家のサングラスとロボットダンスの要素はなくなっている
・前のパートからの続きで、電飾ローラーと太鼓の演出がメインになっている
洋楽を歌いながら太鼓叩くし、ローラーで滑りながら太鼓叩くし、太鼓も一緒に滑らせながらフォーメーション移動もします。端的に言うと、洋楽×電飾ローラー×日本の伝統です。和と洋、伝統と近未来の融合です。
[ローラー太鼓BGM→Yellow Gold]の流れと演出は2019年のクリエのときにはある*9ので、そこに前後を付け足して拡張させたと考えられます。ただ、クリエのときは電飾ローラーではなく普通のローラーだったので、全く同じ演出ではなく少し変化させています。
それから、「次はこういうことがしたいって常に話している。だからライブが決まったときに、じゃあやってみようとなる。」*10という優斗くんの言葉があるので、この構想自体は2019年のクリエ公演前からあったのかもしれません。そう考えると、四半期ベースでこれだけ進化させてくるスピード感にも納得がいきます。
「Yellow Gold」自体の引用は2018年からやっていて、ジャニーズJr.祭でも披露されていること、優斗くんの「僕らはやっぱりローラー+○○をがんばっていきたい」*11という言葉から、「Yellow Gold」を自己紹介的な目玉の演出にしたいという意志を感じます。だからこそ自分たちの一番の特徴であるローラーと、ジャニーズの伝統でもある太鼓の演出をこの1曲に詰めこんで、ローラーで滑りながら太鼓を叩くというハードなことに挑戦したのだろうと思います。
初めてこのパフォーマンスを見た時に、一気にHiHiの世界に引き込まれました。だって太鼓にもローラーをつけるなんて、普通思いつかない。
【e. ローラーダンスBGM】
・嵐「ARASHI BLAST in Hawaii」のオープニングBGMを引用した(下記の動画の1:40~2:20あたりの音です)
嵐 - A・RA・SHI [Official Live Video]
・本家とはほんの少し曲尺が違うように感じました
Youtubeで「A・RA・SHI」が公開されたと話題になっていたときに嵐もニワカながら見てみたら、ここにも聞き覚えのある音が…!ジュニアに興味を持つようになってから、アハ体験の連続。
本家がライブオープニングで使用していたBGMを使って、それぞれのローラーパフォーマンス披露兼衣装チェンジをし、次の曲の「One Kiss(本家:Kis-My-Ft2)」に繋げていた部分です。
余談で主観的な感想を挟みますが、本家のコンセプトを知った今、改めてこの一連の流れを見て感じたストーリーがあります。
一部楽曲の解釈とはずれますが、
Christmas Morningでは表情すらよめない5体の完璧なロボットだったけど、サングラスを外すことで表情が見えはじめ、心臓が鼓動(=太鼓の音)しはじめ、人を愛したことでロボットたちに血が通いはじめる。全員同じ無彩色の硬そうだった衣装を脱いで、色違いの柔らかに揺れる衣装に着替えたことでそれぞれの個性が色づきはじめ、人間らしい感情が芽生え、ラブソング(=One Kiss)を歌いはじめる。
というストーリーだったら。
もう凄すぎて本当に怖いから私の行き過ぎた妄想であってほしい。2ヶ月近くstay homeしているせいだと思いたい。
"HiHi Jetsらしさ"の正体とは
3つのプロセスを説明した段階で、彼らのパフォーマンスがどの段階に該当するのか主観的には分類できないと述べたので、なるべく客観的な事柄を出して、HiHiの太鼓パフォーマンスがどう再構築されたかを説明しました。
これまでの話をまとめて、一連の太鼓パフォーマンスの構成を図にしてみるとこうなります。
1つの完成された世界感をばらして組み換えて、繋がりを良くするためにさらに他のライブからBGMをひっぱってきて、自分たちのオリジナリティをふんだんに詰め込んで…
本家の要素を生かしつつHiHiのオリジナリティを加えて、形は全く違うものになっていることが一目瞭然だと思います。
本家のライブ映像を見て、HiHiがこの太鼓パフォーマンスに、本家にはない要素を複雑に足し引きしているということがわかったので、HiHi Jetsの太鼓パフォーマンスは、赤西くんの「Yellow Gold Tour 3011」を再構築してつくられたものだった。というのが私の主張です。
そして、HiHi Jetsにはそれを実現するだけの力があります。
そう判断したのは、ライブのつくり方に関してのHiHi本人達の発言が再構築のプロセスに該当していたからです。
雑誌*12の5人での対談を要約すると、
・セットリストを考える時、いつも大事にしているのは、流れと、見せたいところ。
・曲と曲の繋ぎで何か1曲ほしいときに提案するくらいで、個人的にやりたい曲は優先させない。
・グループに合うかどうかで曲を決める。
・お客さん目線のことが多い
・どんなライブであっても、その場を自分たちのカラーにするにはどうしたらいいかを考えて実践している。
ということでした。
また、クリエ公演での涼くんのソロ曲を決める際、涼くん自身がいくつか曲の候補を出しても他のメンバーからなかなかOKが出ず、最終的に「ジャニーズ エロ」という条件で検索して楽曲を探したというエピソードがあり*13、「それくらい5人の考えが統一できているし、それくらい常に話し合えている」*14とも語っていました。
ライブに関する彼らの言葉を拾い集めて実際のパフォーマンスと照らし合わせてみると、面白いくらい言動が一致しているなと感じました。
彼らのライブを見て、彼らの言葉を聞いて、
HiHi Jetsには、
・自分たちのオリジナリティをどれだけ入れるか見極める力
・自分たちのつくりたいイメージに合う曲を選ぶという逆算する力
・自分たちが見せたい世界観を5人でしっかり共有する力
が確かにあると感じました。
その力があるから、パフォーマンスに彼らの意志がしっかりと反映されていて、既存の楽曲でも“HiHi Jetsらしい“と感じるのではないかと思いました。
最後に
貴重な時間を割いて読んでいただきありがとうございました。
前項までに書いてきたことが、現時点で私が見つけた"HiHi Jetsらしさ"の正体です。
HiHi Jetsのパフォーマンスを考察したことで、
既に存在しているものをかき集めて自分なりに組み換えることでも、今までになかったものを生み出すことができる。
新しいものを生み出すにはゼロベースが全てではない。
ということを私自身も知ることができました。
再構築という考え方自体は、音楽やライブの構成に用いるだけでなく、あらゆるものに共通する考え方だと思います。
ファッションも建築も会社の経営も人間関係も、時代の価値観に合わせて再構築されていきます。
再構築は、物事を前進させたり新しいものを生み出したりするのに必要不可欠な力であり、ジャニーさんはHiHi Jetsのこの力を見て、「君たちはもう大丈夫」と言ったのかなとも思いました。
せっかくの単独ライブが休演になってしまいましたが、次の機会にHiHi Jetsがどんなライブを見せてくれるのか、楽しみでしょうがないです。
※5月28日に加筆修正しています。
※残念ながら販売期間は終了してしまいましたが「裸の少年 DVD」のA盤に、このブログでとりあげたHiHi Jetsの太鼓パフォーマンスと7men侍のBANGER NIGHTが収録されています。
*1:「ジャニーズ銀座2019 Tokyo Experience」、通称クリエ
*2:「パパママ一番 裸の少年 夏祭り!」通称サマステ
*3:HiTube概要欄より引用しました。この動画にもHiHi Jetsらしさがたくさん詰まっています。
HiHi Jets【摩訶不思議な日常】ほぼ事実の…フィクションです!?
*4:ダンスが得意な大光くんがそう言うんだから相当なんだろう…JUMPの曲をやってくれてありがとう!
*5:Wink up2019年10月号、POTATO2019年10月号
*6:https://www.tvguide.or.jp/column/cyokusoubin/20190722/01_cyokusoubin.html
*7:POTATO2019年10月号作間くん談
*8:曲目には記載がないけれどチャプターマークがついている箇所をカウントしました。
*9:2019年以前のHiHiライブは未履修なので、それ以前はわかりません…。
*10:TVガイドAlpha Vol.20(2019年5月発売)から要約しました。
*11:MyojoLIVE!2019春コン号より要約しました。
*12:TVガイド 2019年3月27日号、HiHiが初表紙を飾ったときのものです。15000字のインタビューも載っていて、写真も良いのでオススメです。
*13:MyojoLIVE!2019春コン号より要約しました。