HiHi Jetsはなぜ脱出できたのか?~ジャニーズから学ぶ組織力~
映画「少年たち」の公開記念企画として、先週YouTubeにあがっていた、脱出ゲーム動画。
毎週日曜日のルーティーンで、いつものノリで、HiHiJetsの動画を再生しましたが、この動画がやばかった。
ただのゲーム企画かと思いきや、今のHiHi Jetsの状態を明確にした内容の濃すぎる動画でした。
まずは何の先入観もない状態で是非一度見てほしいです。
(タイトルでネタバレしちゃってるけど…)
毎週YouTubeに動画をあげている5グループが同じ企画に挑戦していて、一番成績が良かったグループにはご褒美企画があります。
全グループの動画がアップされて、どのグループが脱出できたのか、どのグループがご褒美をもらえるのか。
結果はわかっていますが、是非YouTubeで、自分の目で確認して楽しんでほしいので、ここには最終的な結果に関することは書きません。
他のグループとHiHi Jetsを比較して優劣をつけたいわけでもありません。
ただ、どうしてHiHi Jetsは脱出できたのか?について考察します。
まず結論から言っちゃうと、
HiHi Jetsはなぜ脱出できたのか?
それは、
HiHi Jetsがグループ=組織として正しく機能しており、理想的な状態であるから。
と私は考えました。
まずは髙橋くんから企画の説明があります。
今回の目標は「30分以内に会議室から脱出すること」
目標達成のために、会議室にあるiPhoneは自由に使ってOKということ。
さらに、一番早く脱出したグループにはご褒美があるということ。
そして、誰が活躍しそうかというメンバー間の予想で猪狩くんの名前が挙がります。
~企画スタート~
会議室にメンバー全員が入室したところですぐに30分のカウントが始まりますが、
まず注目すべきは、モニターのカウントが 00:00 の状態のときにすでにiPhoneを構えていた作間くん。
与えられた手段をしっかり利用することは、目標を達成する一番の近道だと思います。
そしてこの時点で作間くんは、iPhoneを使って(ヒントが映し出されるであろう)モニターを撮影するという役割を自然と担うことになります。
次に、 情報量が少なすぎるという瑞稀くんの見解を受けて、少し時間が経過したらヒントが出てくるであろうと今後の展開を先読みする猪狩くん。
しかしモニターはカウントが表示されているだけで、ただただ時間だけが過ぎる状況。
焦りからか、HiHi ボケたがり Jetsの茶番が始まりそうになりますが、30分しかないからと抑止し、何かをしないと状況が変わらないことを伝え、次の策を考えるように軌道修正する髙橋くん。
無事に軌道修正した後、立て続けに瑞稀くんのボケにつっこむ髙橋くん。
ボケが渋滞してるHiHiちゃんにはツッコミ役の髙橋くんが貴重な存在です。*1
~ひとつめのヒント~
「椅子に注目」というヒントが出てみんなが椅子にとびつく中、ひとりモニターを撮影する作間くん。
自分の役目はみんなのバランスをとること*2と考えていて、状況を俯瞰して自分の立ち回り方を考えられる作間くんだからできたことだと思います。
椅子自体にはなにもないことから、発想の転換をする瑞稀くん。
それを受けてヒントを書き出すことを提案する作間くん。
~ふたつめのヒント~
ふたつめのヒントが出たときに、作間くんがヒントを撮影していることに気付いて、その行動を称賛する髙橋くん。
髙橋くんが作間くんの行動を肯定することで、作間くんの役割が周囲に認知されると同時に確立されたと考えられます。
瑞稀くんが様々な考え方を提示し、髙橋くんが肯定します。
瑞稀くんの考えを受けて、猪狩くんが次の具体的な行動を提案します。
この時点で「メンバー全員で 椅子を使って何かをする」という考えにまとまります。
そこで作間くんの発案で、一度椅子をただガン見してみることに。
誰も否定せずに全員ちゃんと椅子をガン見するHiHi 大天使 Jetsちゃん。
真面目に脱出策を考える中、時にシュールな画でちゃんと笑いもとるのはアイドルとして満点です。*3
何も見つからなかったけど、満足げな表情をする作間くん。みんなちゃんと乗っかってくれてよかったね…!
~みっつめのヒント~
どのくらいでヒントが出てくるか、タイミングがつかめているHiHiちゃん。
ヒントが出たら作間くんが撮影。
すぐに瑞稀くんがボードにも記入しており、書記係が瑞稀くんに確定したことがわかります。
3:52の髙橋くんのお顔が良すぎる。
大正解出ちゃいました。
ここで橋本くんが「赤文字が気になる」と重大な発見をし、作間くんが撮影していたものが役立ちます。
各メンバーの発言を受けて、猪狩くんが意見をまとめていき、この時点で「ある法則で メンバー全員で 椅子に座る」という考えにまとまります。
いろいろな法則で座ることを試している最中、全員がモニターに背を向けるかたちになるので13分の時点でヒントが出てこないか状況を確認する瑞稀くん。
瑞稀くんは本当によく気付く人だな~。
法則と聞いて真っ先に年齢順と入所順が出てくるところ、厳しい縦社会で生きるジャニーズならではって感じでとても興味深かったです。
いろんな法則を試しつくしたと思われるところで、椅子はもともと丸く置かれていたこと思い出し、並び方に注目する作間くん。
この気付きが、よっつめのヒントを解読するために重要な役割を果たしたと考えられます。
~よっつめのヒント~
いや、このヒントから「上座」「時計回り」を読み取るHiHi Jetsが単にすごい…
このヒントの出し方はさすがに無理がない??と思いましたが、ひとつひとつのヒントを着実に読み解いてきたHiHi Jetsだから解けたのだと思います。
まず、橋本くんの赤文字に注目するという気付きがあったことで、「上下左右」の 下左右 のトラップを完全に無視しています。
下、左、右に関する、すべての可能性を一つずつ虱潰しに試していくとそれだけ時間をロスします。
今回の目標を達成しさらにご褒美をもらうには、なるべく早く脱出しなければならないため、無駄な思考を省けたことは大きなポイントだったと思います。
また、直前の作間くんの気付き → 髙橋くんの「右回りとか?」という発想があったことで、赤文字でなかったのにもかかわらず「時計回り」に自然と注目できたのではないかと思いました。
そして「上座」に気付いた瑞稀くん。天才。
上座がどこになるのかを知っている、弱冠16歳の猪狩くんも天才。
仮に、上座がどこかがわからなくてもiPhoneで調べられますが、調べる時間をロスすることになるので好タイムでの脱出が難しくなります。
よって猪狩くんGood job!!!
~最後のヒント~
最後のヒントが出る前に、「ある法則で 上座から 時計まわりに 全員で 椅子に 座る」まで答えを導いていたHiHi Jets。
そのため、最後のヒントがでてきた瞬間に座る順番がわかり、好タイムでの脱出に成功したと考えられます。
無事に脱出したHiHi Jetsのみなさん。
脱出後に髙橋くんが「学歴じゃないんだよ」と漏らしていますが、まさにそれ!!!
今回の目標達成のために必要だったのは、学歴ではなく、組織力だったのだと私は思います。
三人寄れば文殊の知恵と言うように、
複数人で協力することで、大きな目標を達成することができます。
しかし、ただ人数だけが多くても意味はありません。一部の人に比重が偏ると、せっかく組んだ組織はうまく生かされずに、逆に効率が下がります。
組織がうまく機能するためには、
①目標を全員で共有する。
②それぞれが自分の役割を果たし、全員が主体的に動く。
③信頼関係が生まれるようなコミュニケーションができる。
この3点が重要だと思います。
①目標を全員で共有する。
まずオープニングトークで髙橋くんが企画の説明をしていたところで、全員で目標の共有が出来ています。そして途中で諦めたり、ネガティブな発言をする人がおらず、目標を達成しようとする強い意志を全員が持っていたように感じられました。
②それぞれが自分の役割を果たし、全員が主体的に動く。
次に、誰が何をするかという話し合いは特になく*4、オープニングで猪狩くんに期待の声があったものの、誰かひとりに頼りっきりになったりはせず、それぞれが自分の役割を見つけて行動していました。
それが顕著だったのは、作間くんと瑞稀くん。
作間くんは、iPhoneを使用してヒントを撮影する=情報の取得 という役割。
瑞稀くんは、ヒントをボードに書き出す=情報の整理 という役割。
自ら動き、グループ全員が情報を理解できる状況を整えたこの二人の功績はかなり大きいと思います。
もちろん、他の3人にもちゃんと役割が出来ていたと思います。
猪狩くんは、ヒントがモニターに出てくると予想・意見をまとめる=方向性を決める・段取る という役割。
物事をスムーズに進めていくために、展開を先読みして、計画を立てたり段取りをすることは必須であり、リスク回避にもつながります。出てきた意見をまとめて、要所要所でグループとしての方向性をまとめていたのも猪狩くんだったように思います。
髙橋くんは、軌道修正・コミュニケーションの要=リーダー という役割。
最初のほうではっきりと軌道修正するような発言が髙橋くんからあったことで、この脱出ゲームに真剣に取り組む空気感をつくったように思います。
また、他4人の言動に対してよく賛同の声を上げていて、コミュニケーションを取りやすくしていると感じたのですが、詳しくは後述します。
リーダーと聞くと、一番能力が高い人とか一番結果を出す人と思いがちですが、組織内でリーダーの功績が大部分を占めてしまうと、パワーバランスが不均衡な状態になり、他のメンバーの成長の余地がなくなったり、独りよがりな方法になってしまったりと組織として理想的な形ではなくなってしまいます。
ここぞというときに前に出ることは必要ですが、あくまでパワーバランスは均等であることが組織がうまく機能する条件だと私は考えています。
そのため、具体的な解決策を提案するような発言は比較的少なかったですが、最年長の髙橋くんがリーダー的役回りをしているように感じました。
橋本くんは、正解に繋がる重要な気付き=グループへの刺激 という役割。
発言回数が比較的少なかったものの、瑞稀くんが数打って当てる戦法なら橋本くんは一発を確実に当てる戦法なのかなと。
橋本くんの赤字に注目する気付きがなかったら脱出できなかったかもしれないぐらい、全員の思考に影響を与える刺激だったと思います。
加えて、ここまでに橋本くんの名がでてくる回数が少なかったのですが、実はこの動画を成立させる重要な役割のもうひとつを、彼が担っていました。
それは2:08と5:56の橋本くんのカメラアピールです。
とてもお顔がいい、ジャニーズJr.5人組のアイドルの動画です。
他の4人が謎解きに必死になっている中、橋本くんのカメラアピールがあることで、この動画にアイドルらしいエッセンスが加わります。
他のグループの動画でもカメラアピールのシーンが結構あり、30分間の脱出ゲームを10分前後に編集していてもわざわざその画を残しているということは…そういうことなんだと思います。
HiHi Jetsのイケメン担当 最強の顔を持つ男*5 としての役割をしっかり果たしています。拍手。
役割について、少し別の話を差し込みますが、
3月31日放送のマイジャニの中で猪狩くんから「役割を決めるとボロが出るから決めていない、素で成り立っている」という趣旨の発言がありました。
これが、役割の本質をしっかり捉えている発言だったのでとても驚きました。
猪狩くん、本当に16歳……???
役割というのは、最初から規定があるものではなく、自ら作り出すものです。
そして、状況の変化によって流動的に変わっていきます。
つまり、組織をうまく運営していくためには、その時その時の状況に合わせて、各自が自分の役割をつくりだすことが重要です。
おそらく、日頃から5人全員が役割に対してそのような認識を持てていたから、今回の企画でも自然と役割分担がされたのではないかと思いました。
そして、それぞれの役割がしっかり機能するために、もうひとつ注目したいことが。
ボードにヒントを書き出し始めたとき、初めは瑞稀くんと猪狩くんがペンを持っていましたが、次のシーンからは瑞稀くんだけがボードに記入しています。
他の人の役割を別の人が侵してしまうとチームワークが乱れる原因となり、効率が下がります。
また、動画の最後にそれぞれの活躍をみんなで褒め合っていたとき*6、髙橋くんと橋本くんが「俺らもがんばった!」と自虐的な笑いをとっていましたが、各役割が十分な時は一歩ひいておくという判断ができることは、上記の理由からも賢明だったと思います。
なので、憶測ですが、ボードの記入係は瑞稀くんと認識して身を引いた猪狩くんの行動や、髙橋くん・橋本くんのスタンスは、それぞれが役割を形成していく上でとても大事な動きだったと思います。
③信頼関係が生まれるようなコミュニケーションができる。
最後にコミュニケーションについてですが、この動画を通して全員がちゃんと意見を言うという印象を強く受けました。
全員が意見を出し合うことができたのは、HiHi Jetsには心理的安全性があったからだと思います。
心理的安全性とは、他者の反応に怯えたり恥を感じたりすることなく、素直に思ったことを言える環境や雰囲気のことを言います。
つまり、ちゃんと相手の話に耳を傾けて、出てきた意見を否定しない空気感があったことで、たくさんの意見や案が出てきて活発な議論ができた → ヒントが読み解けたと考えられます。
中でも、メンバーの言動をよく肯定していたのが髙橋くんで、髙橋くんが心理的安全性のある空気感をつくったことで、それぞれが思ったことを次々に口にできたのではないかと思いました。
心理的安全性のある環境を整えるのはリーダーの役目でもあるので、そういった理由からも前述のとおり、髙橋くんがリーダーの役割を担っていたと私は考えました。
長々と書いてきましたが、以上のことから
HiHi Jetsはなぜ脱出できたのか?
それは、
HiHi Jetsがグループ=組織として正しく機能しており、理想的な状態であるから。
と私は考えました。
自分が社会人になってから学んだ、組織づくりに関する知見を交えてHiHi Jetsの動画を考察しましたが、つい先日も、このような見事な組織力を見せつけられたなと思いました。
1月27日の嵐の会見を見たときにも、これだけの組織力があるからこそのトップアイドルなんだなと強く納得させられましたが、あの時と同じ衝撃をこのHiHi Jetsの動画から受けました。
でもHiHi Jetsがすごいのは、まだ5人全員が10代の少年であること。
さらに、現在の5人体制になってまだ1年しか経っていないこと。
いかに彼らがHiHi Jetsの将来を思ってグループの改編を行ったのか。
いかにこの1年、それぞれがHiHi Jetsのことを第一に考えて活動していたのか。
HiHi Jetsのことを知って2ヵ月のド新規が偉そうに言えることじゃないかもしれませんが、これだけの好成績で脱出したHiHi Jetsを見てしまったら、そうとしか考えられなくて、この先彼らがものすごいアイドルグループになる予感しかしません。
年上の後輩、年下の先輩という、一見複雑そうなグループ構成だからこそ。
パワーバランスが均等で、誰もがセンターに立てる実力を持っているHiHi Jetsなら。
全員がグループのことを思って、それぞれが自分の立場を考えて。
なによりメンバー自身がHiHi Jetsのことを好きで*7。
そんなHiHi Jetsなら。
2018年12月30日にYouTubeで公開された「以心伝心ゲーム」で、
「HiHi Jetsとして単独コンサートを開きたい場所は?」と言う問いに、
全員、新国立競技場を挙げたHiHi Jetsなら。
今よりもっと強くて、もっと魅力的で、もっと愛にあふれたグループになって、
ひとつずつ夢叶えていくんだろうなと、とてもわくわくさせられた動画でした。
ここまで読んでくださった方にHiHi Jetsの魅力が伝わっていたら嬉しいかぎりです。
*1:D;J+.で髙橋くんがHiHi Jetsのボケツッコミ事情について話していてとてもほっこりしました。がんばれ髙橋くん。
*2:雑誌 D;J+.(DUeT特別編集 別冊Johnnys'Jr.2018)の本人のインタビュー内容より。D;J+. とても読み応えあるのでおすすめです。
*3:いや、でも割と真面目に提案していたのかもしれない…?どこまでがボケなんだろう…
*4:仮に話合っていたとしても、そんな重要なシーンを編集でカットするとは思えないので、このように予想しました。3月31日放送のマイジャニの中で、グループ内で特に役割は決めていないという発言があったことも理由です。
*5:HiHi Jetsメンバー紹介ラップ「だぁ~くねすどらごん」の橋本くん紹介部分の歌詞です。
*6:なんて雰囲気のいいグループなんだ…とさらに好きになりました。
*7:WiNK UP 2019年4月号のHiHi Jetsの対談がエモすぎるので、是非読んでいただきたいです。HiHi Jetsをよく知らない方にもHiHi Jetsのグループ愛を感じてもらえると思います。